ジャンジュネ・「女中たち」を演じる多岐川裕美さん

三軒茶屋の世田谷パブリックセンタートラムで、7月12日から始まっているジャンジュネの「女中たち」。
世界中で公演されている作品です。

女中たち2人と、奥様役の多岐川裕美さんの3人だけの芝居です。

長い女優生活の中で、大衆演劇に身をおいてきた彼女に、哲学的な作品が巡ってきたことに、不思議な力が働いているようで仕方がありません。

彼女ではなく、この役をこなす女優さんは、おられるはずなのに・・・

彼女にとっては、60歳を過ぎての挑戦になるのですから、その心情を考えると、大変なものだと察しています。
自分を追いつめて見えるものがあるはずだから、葛藤の中にいみじくも、ジャンジュネを演じられる事になっているような気がします。
それも、不安定な成り上がりの奥様を演ずることができるのでしょう。、チャンスがあることが素晴らしい。

彼女は昨年、女優としてとことん、どんな役でもやりたいと決心していて、ですから、念が叶って、チャンスが巡ってきたのでしょう？
このチャンスが巡ってこない人が多いのですから。

怖がったり、傷つくのがいやだったり、善意を優しさを出し惜しみすると、チャンスは巡ってこないように思います。

自分を決めつけないで、大らかな気持ちで挑戦すると何事も、自分の力以上のものが湧き出て、その瞬間の感情が感動という幸せを醸し出すのかもしれません。

彼女に限らず、その可能性は心のチャンネルを回す勇気だと思います。