受け入れられたコスメティックセラピー 化粧 1-3
ワーカーさんたちとのコミュニケーションも重要でした。初めは彼らもどのようにお年寄りに対応していいのかわからないので、ギャラリーのような感覚でいました。ですから初めの半年間は、ワーカーさんたちとのコンセンサスをとることにも気持ちを置いてきました。
そして、半年が過ぎ、さなぎが蝶にかえるように、ワーカーさんたちも自然に参加できるような時期がふっとやってきました。
入所している女性たちもお化粧をすると、男性の入所者などが見に来て褒めてくれるので、本人の口から「やはり綺麗にしている方が見ている男性も気持ちがいいんだな」という話が聞かれるようになり、それが段々当たり前のような空気になっていきました。
そして一年経ち、気がつくと女性たちは愚痴を言わなくなっていました。
小沢さんという一人の女性がいます。自分がとても傷ついたことをいつもおっしゃっていまいした。その愚痴を言っていた頃は異常に口角が傷ついていて、目の周りの粘膜も痛々しいような状態でした。
セラピーを始めて一年近くたったときに、「小沢さん、もう愚痴はやめようよ。過去のことだから、それにこだわっても毎日が楽しくないじゃない。お化粧して小沢さんすごく綺麗になってるんだし、もう愚痴を言わないようにして、これからは歌を歌ってくれない?」というふうに言ったのを覚えています。
そのときから、小沢さんは私たちに接する姿勢を変えてくれ、今でも歌を聞かせてくれています。
彼女の皮膚はとても活き活きとしてきて、目の周りの粘膜もピンク色に変わったように思えます。
心の中でネガティブなことばかりを考えていると、それが表面に、つまり皮膚に全て出てきますし、反対に喜びのようなポジティブな考えも、皮膚の色やツヤとして出てくるようです。
100歳のナツさんも愚痴がなくなった方ですが、彼女はいつも意識して自分から鏡を見ています。初めて会ったときよりも若くなったような気がします。
3年経っても歳をとらない、もう時間が止まっているような感じさえ受けます。今ではお化粧が終わったあとに、コメントを言ってくれるようになりました。
出典:矢野実千代(2000) 『高齢者のコスメティックセラピー』一番ケ瀬康子監修,一橋出版

そして、半年が過ぎ、さなぎが蝶にかえるように、ワーカーさんたちも自然に参加できるような時期がふっとやってきました。
入所している女性たちもお化粧をすると、男性の入所者などが見に来て褒めてくれるので、本人の口から「やはり綺麗にしている方が見ている男性も気持ちがいいんだな」という話が聞かれるようになり、それが段々当たり前のような空気になっていきました。
そして一年経ち、気がつくと女性たちは愚痴を言わなくなっていました。
小沢さんという一人の女性がいます。自分がとても傷ついたことをいつもおっしゃっていまいした。その愚痴を言っていた頃は異常に口角が傷ついていて、目の周りの粘膜も痛々しいような状態でした。
セラピーを始めて一年近くたったときに、「小沢さん、もう愚痴はやめようよ。過去のことだから、それにこだわっても毎日が楽しくないじゃない。お化粧して小沢さんすごく綺麗になってるんだし、もう愚痴を言わないようにして、これからは歌を歌ってくれない?」というふうに言ったのを覚えています。
そのときから、小沢さんは私たちに接する姿勢を変えてくれ、今でも歌を聞かせてくれています。
彼女の皮膚はとても活き活きとしてきて、目の周りの粘膜もピンク色に変わったように思えます。
心の中でネガティブなことばかりを考えていると、それが表面に、つまり皮膚に全て出てきますし、反対に喜びのようなポジティブな考えも、皮膚の色やツヤとして出てくるようです。
100歳のナツさんも愚痴がなくなった方ですが、彼女はいつも意識して自分から鏡を見ています。初めて会ったときよりも若くなったような気がします。
3年経っても歳をとらない、もう時間が止まっているような感じさえ受けます。今ではお化粧が終わったあとに、コメントを言ってくれるようになりました。
出典:矢野実千代(2000) 『高齢者のコスメティックセラピー』一番ケ瀬康子監修,一橋出版

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