秋祭りの女の子

ぴーひゃら、ぴーひゃらと笛に音色は、誘われているような気がしていそいそと、夕方になると浴衣を着て薄化粧をしている中学生くらいの女の子たちを見かけました。
それは金魚のような浴衣姿は、この年齢以下の女の子ではないと醸し出せない雰囲気が何とも言えないうつくしさがあるのです。
花にたとえると6分咲くらいの初々しい美しさです。
陽が少し陰りつつあることも手伝って、薄暗い中のかわいい花が咲いているような小さな感動を覚えました。

そして、昭和のころの村の鎮守の秋祭りの光景が交差して子供の頃の心持になった。

この神社は多くの子供たちが集まり無邪気にはしゃいでいるなんてまだ東京もすてたものではないなーっと熱いものがこみあげた。

秋祭りは本来、五穀豊穣を感謝して豊作を祝い奉納し、心も体も喜んで嬉嬉しと神に捧げて祝うものですが、ほとんどの人が間接的にしか自然の恵みを受け取っていないからわからないようだけど、こうして子供たちや若い人がお祭りに足を運ぶことは、不思議な感性があるように思います。

大人が祭りのお神輿や笛や太鼓を長い時間をかけて伝わった行事が町の平和につながっているのでしょう。
薄化粧の女の子もお祭りを通して大人に育てていく神様の計らいかもしれません。