素肌力！あとがき

ちょっぴり自分の話をしたいと思います。

「好きこそ物の上手なれ」ということわざがありますが、私はまさにこのことわざの通り、好きなことを仕事にした幸福者です。
そして、両親や夫、子供の大きな愛と理解によって支えられ、今日があります。
今回の出版にあたっても、たちばな出版の小山氏、丸山氏、編集スタッフのおかげで温かくて楽しい、そしてわかりやすいビューティ本が仕上がりました。

好奇心旺盛な私は、健康にも恵まれ、２３年前にある仕事のロケでシルクロードへ妊娠４か月の体で向かいました。
北京、ウルムチ、トルファン、カシュガルに夏の猛暑の中、４０日間という長期間の滞在。
高度2000m付近の遊牧民のステイするその場所でのロケに、ヘア&メイクとして参加しました。

中国がまだ解放されていない時代でしたから、北京から政府の高官が７人同行する旅でしたが、ウイグル自治区に住む人たちの目と歯と笑顔の美しさに驚かされたのを覚えています。

歴史上、かつては西と東をつなぎ賑わったその地も、今は大自然の変化によって貧しい生活に。
けれど、自然の流れの中でたくましく、楽しく、民族としてのアイデンティティを大切に誇りを失わず、力強く生きていました。
ここで出会った人々、見たものが、母になっても仕事持つ女性として、どんなときにも明るく生きていく源になったと思います。

誰もが大なり小なり「我」を出しながら生きているものです。けれど、それが大きく膨らみすぎ、我を抑えられないときは、ひと呼吸おいて鏡を見てください。
鏡に映ったあなたの顔は「醜い顔」のはず。
その顔を他人に見せていると、それが表情ジワになり、歳を重ねるごとにクセとなって、顔つきになってしまうのです。

私には今、美しく生きることを一度見直すべき時代が来ているように思えてなりません。
出会いを大切に、いっぱいおしゃべりをすることが自分を好きになることへつながると思いますし、考えてどうにもならないことは考えず、胸がトキメク楽しいことを考えてみてはいかがでしょう。
そして「百聞は一見に如かず」ですから、考えるより行動を起こしてみてください。体で覚えれば、満足感と自信がつきます。

この本を上手に使って、今日から実践していただければ、絶対キレイになれることをお約束します。
ありがとうございました。



出典：矢野実千代（2004) 『素肌力！-自分でつくる魅力の素肌』たちばな出版